column 9 住宅設計の基本的な考え方 12

家の寿命

日本の家は寿命が30年です。あの消費大国のアメリカでさえも80年、イギリスに至ってはなんと150年、もちろん材料や気候的な違いもあるのでしょうが、日本ももう少し家の寿命を延ばさないと、やっと30年のローンが終わったと思えばすぐ壊してごみにしてしまう、というのは地球環境的に考えても問題があります。いつまで経っても代々ローンを払いつづけるという馬鹿なことをしないといけません。イギリスでは曾おばあさんのおばあさんの時代にもうローンは終わっているのですから。
一生ローンを払い続ける人生とそのローン分を海外旅行や家族の楽しみに使える人生と比べたら…欧米人に余裕があるのがわかるような気がします。

雨の多い鹿児島にあって、建物の寿命をのばしてくれる物のひとつに庇(ひさし)があります。特に大きな開口の上には庇が欲しいものです。庇があることによって雨の日でも窓が空けられますし、建物の外壁を守るためにも庇が重要です。
最近、デザインを優先するために庇をつけていない家をよく見かけます。できてすぐにはわかりませんが、5年後10年後と経っていくうちにだんだんとその差がでてきます。
建築は時間的スパンの長いものだけに10年、20年というスパンで考えるべきです。

コートのある家

コートのある家

深い庇に囲まれることで
雨や日差しからも守られる

東谷山のコートハウス

東谷山のコートハウス

大きな開口の上には必ず深いひさしを