column 4 住宅設計の基本的な考え方 12

家族の「けはい」

2階からの音が下に聞こえませんかとよくきかれます。普通の間取りでしたら2階はだいたいが子供部屋ですが、あまりにも遮音性が良すぎるのも考えものです。いったん子供部屋に入れば、外にまったく「けはい」がわからず何をしているのかわからないと思います。あまりにも2階がうるさかったら下からお父さんが「うるさい」と大声で叫んで子供達を怒るぐらいのコミュニケーションのとれる家でも良いのではないでしょうか。そうすれば次から子供達は少しは下のことを考えて行動するようになります。家族同士の「けはい」が感じ取れない家は住宅としては良くないと思います。「けはい」と書いて気配りと読みます。昨今の若者達の暴走ややるせない事件はそういった家族同士の「気配」を小さい時から感じ取れないような家に住んでいたのではないでしょうか。「気配を感じ合える家」すごく大事なことだと思います。


谷山中央の家

谷山中央の家

子供部屋は吹き抜けに面した場所に
壁上部をガラスにすることでお互いの「気配」が感じられる

東谷山のコートハウス

東谷山のコートハウス

吹き抜けを通して広がる目線で
面積以上の広さを感じる

紫原のコートハウス

紫原のコートハウス

家の中心を吹き抜けにして
家族の「けはい」を感じるように