column 3 住宅設計の基本的な考え方 12
収納
収納はできるだけ多めにとよくいわれます。しかし家の半分を押入れにしてもいつかは満杯になるのではないでしょうか。限られたスペースに限られた予算で人が住むための住宅を作るのです。物を収納するために高いお金を払うのではありません。極力無駄なものは新居にもちこまないようにするのが賢明です。
そうはいっても季節ごとのしつらえで生活を楽しんできた日本人の生活にとって、ある程度の収納は必要なものです。収納の悩みをつきつめていけば大きな物よりむしろ小物の収納に困っていることが多いようです。収納はその体積よりも表面積が大事と考えます。奥行30cmから60cm程度の壁収納を造り付けで作る方法がもっとも有効だと思います。出し入れがしやすくて中に何が入っているか一目でわかれば、1度入れたら2度と出さない無駄な収納を防ぐと考えます。