傷がつけばつくほど思い出が増える材料とは?
インテリアの材料として重要な床材。最近は掃除が容易なこともあってフローリングがよく使われる。壁や天井は直接、体に触れることは少ないが、床はそういうわけにはいかない。そこで暮らす限りいつも体に触れている。しかも一番敏感な足の裏で。
「反りや狂いが少ない」「ギィーギィーという床鳴りが少ない」などの理由で合板のフローリングが全盛だ。(作り手側がアフターサービスの手間を減らすためという理由も大きいのだが)合板のフローリングとは15mmほどのベニヤ板に0.5mm程度の本物の木が張りつけてあるものだ。
それに対して無垢材のフローリング材は当たり前のことだが15mm全部が本物の木でできている。木が呼吸しているので室内の湿気を吸ってくれたり乾燥しているときは自分の湿気を放出してくれたりするので梅雨時でも床がべたべたしない。ただその分少し隙間ができたり天気しだいで床鳴りしたりするときもある。
■ 谷山中央の家■
無垢の杉フローリングを使った玄関 正面はウルシを塗った和紙を張った壁
両者は新築のとき、その差はわかりにくいが5年、10年と使っていくとだんだんと差が歴然となって現れてくる。合板フローリングは完成時が100%で傷が入ると下地のベニヤが出てきたりと、だんだんとみすぼらしくなっていくが(なんといってもきれいな部分は表面の0.5mmだけなのですから)無垢材のフローリングは傷は傷なりに味わいが増していく。10年使えば10年の味、20年使えば20年の味わいとなってくる。昔の小学校の木製の机と同じで、ひとつひとつの傷が家族の思い出になっていく。
子供の成長と共にひとつの傷が思い出になっていくなんてなんと素晴らしい材料でしょう。ちなみに標準的な家で合板床と無垢材の床との差額は丸ごと全て無垢材にしても\25万程度です。さてあなたはどちらをチョイス?